森の中の高級貸切リゾートウェディング「彩音」

家族の年輪は、
この森で、
重なっていく。

小西 文香様・順様・湊介くん・朔人くん

2015年1月11日挙式

小さいころから、自然を描くのが好きだった。山とか、青空とか、なにげないけど優しい景色。
中学校に上がると、絵筆はカメラに代わった。
通学のカバンにデジカメを忍ばせて、授業そっちのけで窓の外を撮った。
きっちり技術を学んだわけじゃない。でも、目の前の景色が「絵」になるかどうか。
そんな感覚は、ちょっと鍛えられていたのかもしれない。
初めて彩音を訪れた時にも、その直感がはたらいた。ヨーロッパの古城みたいな邸宅に、白いレンガのチャペル。
まるで別世界なのに、なぜだろう。とても落ち着く。なつかしくさえある。
やっぱりそれは、見守るように佇む森のおかげだったのだと思う。

彩音での挙式を決めた時、私たちは23歳で、彼はまだ学生だった。けれど、「まだ早いよ」なんて言う人はいなかった。
彼のやわらかな言葉に私が惹かれて、メル友から始まった恋。
告白は彼からだったけれど、「まだ付き合ってないのかよ」と、まわりからさんざん突っつかれたらしい。
きっと誰もが、お似合いだと思ってくれていたんだろう。もちろん私自身も、お互いの両親もそうだった。
結婚はごくあたりまえのなりゆきだったし、彼は私にこう言った。「若いうちにパパとママになろう」。
式を挙げた年の暮れに、その願いは現実になった。

ふたりのわが子は、撮りたがる私の気持ちにはおかまいなしに、写真が大の苦手だ。
日常のスナップならともかく、七五三のような記念写真はさすがにプロにすがるしかない。
街の写真館に行ってみたけれど、子どもたちはいつにもましてカメラから逃げ回った。機材に囲まれるのが怖いのだという。
途方に暮れた。ずっと残る一枚だからこだわりたい。けれど子どもたちの小さな胸に、苦しい思い出は残したくない。

彩音で撮ろう。子どもたちは公園の緑が大好きだ。きっとあの森なら、いつもの自分を全開にしてくれるにちがいない。
パパとママの狙いは、ぴたりとハマった。池をゆったり泳ぐ鯉。葉っぱの上のカマキリ。
彩音のガーデンで、子どもたちは目を輝かせた。パパの手をすり抜けて、芝生の上を転がるように走り回った。
できあがった写真には、頬ずりしたくなるくらいの愛くるしさがあふれていた。
くやしいけど、私だけでは引き出せない表情だったかもしれない。

というわけで、子どもたちは彩音を公園だと思っている。
だいたい3か月に一度。季節が移るころ、いっしょに彩音のレストランに帰ってくる。
畳張りの個室でおいしい食事を気兼ねなく味わったあと、森でのびのびと遊ぶ。
草や花や虫や、大人の目線では通りすぎてしまうささやかな景色。夢中になる子どもたちの横顔を、私はそっと写真に収める。
結婚式場とは、一期一会のお付き合いだと思っていた。
それがいま、家族のみんなにとって、こんなに愛着のあふれる場所になっている。

24歳の8月。この森の、深い緑を背景にした前撮りから、私たち家族のアルバムは始まった。
300年前から変わらない森と、少しずつ変わっていく家族。けれどそのページのすべてが、幸せな風景でありますように。